女達と奇妙なブティック

「明日からもう来なくていいよ!!」


みどりは一人歩きながらそのセリフを頭の中で何度も繰り返していた。いつも厳しいお局からの最後の言葉。


みどりは会社をクビにされ夜の吉祥寺を途方もなく歩いていた。


「私、何やってもダメなのかな…」


みどりは寒くてしかたがなかく、特に首の辺りからゾクゾクと寒気を感じた。その首の寒さはみどりを昔へ戻させた。


「別れよう。もう君とはやってられないんだ」


彼氏の憲一からの最後の言葉。あれ依頼一度も会っていないし、電話もない。その日の帰り道も首が寒かった。

「マフラー買ってこ」

寒さと淋しさに耐えれず、みどりは無意識に猫の店の前に立っていた。