女達と奇妙なブティック
「あれ?こんな所にお店あったっけ…」


いつもは通らない道を知らぬ間に歩いていたのは怖かった。だが猫の店を見たらそんな恐怖は消えていた。


赤い屋根に白い壁、淡い証明が店内を写し中からは色鮮やかな服飾が覗ける。ブティックに間違いはない。可愛らしい店にみどりは入らないといけないと、これまた無意識に感じ足を前に進ませる。


猫の店のドアを開けるとドアにつけられたベルが鳴り、みどりと店主が目を合わせる。


「いらっしゃいませ!!」


猫に似た店主は笑顔でみどりを迎える。店主が女か男かはわからない。声を聞いても判別は不可能だ。


「当店ではお客様の願いを叶える事を第一にしています。何をお探しですか?」


店主の圧のある笑顔にみどりは戸惑いながら

「あの、こんな所にブティックなんかありました?」


「もうしわけありませんお客様。当店の創業は私にもわかりかねませんので」


店主は何も知らない。知らないふりをしているのかもしれない。
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