■年上彼氏様□


初めて気がついた“人の目”に私は小さく不安を感じた



「桜羽、何から見る?」



「え…と……」



水族館の中に入っても、和沙の服を掴んだまま



「…端から見てくか」



そう言って、私を握った和沙



「か、和沙っ!?」



指を絡めて手を繋ぐ和沙



「手、離すなよ?はぐれるから」



「うん」



小さい魚から、大きな魚…



ヒトデなんかもいる



「すごーい…ぁ!可愛い!!」



私は水槽に近付いた



「…変わってるな……」



「何が?」



「好みが…」



「…?」



私の見ていたのは…



海ヘビ



「可愛いよ?ウネウネ動いてて…」



和沙が笑った



「桜羽がイイならいいよ」



………恥ずかしい…よぉ



「あそこのコーナー…ヒトデとかに触れるって」


和沙が言ったところは、小さい子がちらほら居た



走って小さい子に紛れた私


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