■年上彼氏様□
…逃げなきゃ…
するっと抜け出して、リビングの端に駆け寄る
「そんなとこに居るの」
だんだん詰まる私と男の人の距離
「こ、来ないでぇっ…ふぇぇ…」
「そーやって、和沙誘ってんの?」
伸びてくる手
私はしゃがんで頭を抱えた
いや…
いや……
やだ………
恐いよ……
「やだぁっ!…ひくっ」
異常な程に震える体
……恐い……
「顔あげろよ~」
「やだ、やだやだ…やめて!!!」
お父さんの暴力が頭の中に映像化されてる
痛いのやだ……
やだ…
やだよ……
「痛いのやだぁっ…うぅ、ひくっ」
「は?お前意味わかんねぇ」
男の人はソファに座った
「ひぐっ…ぅ~」
「お前、何なんだよ…ま、俺が用あるのは和沙だけだから」
男の人はテレビを見始めた
………
私は自分の部屋に駆け込んだ
ベッドの上で小さくなって座る
体育座りをして、顔を足の間に埋めた