■年上彼氏様□
………え
ゆっくりと頭をあげると見えたのは、
「…かずさぁっ…」
涙が溢れ出る
「…はー、まじビビる……」
和沙はそう言って私に近付く
「痛いとことかナイ?」
「っく…ぅっ…」
私は頷くので精一杯
「そっか、良かった」
「!!??」
優しく私を包みこんだ…
和沙が…抱き締めてる…??
驚きで涙はピッタリ止まる
「あっ!ぇっ?、か、和沙っ!!?」
「ん~?」
“ん~?”じゃないっ!
心臓がうるさい
和沙に伝わるかな…
………やっぱ駄目っ!
「かっ、和沙っ離して?!」
「なんで?」
「…は…恥ずかしいぃ…」
和沙はあっさり私を離した
「和沙さん、」
振り向くと、花奈絵さんが立っていた
「ぃゃっ…」
私はかすれるような声で、和沙のスーツの端を握った