■年上彼氏様□


………え



ゆっくりと頭をあげると見えたのは、



「…かずさぁっ…」



涙が溢れ出る



「…はー、まじビビる……」



和沙はそう言って私に近付く



「痛いとことかナイ?」



「っく…ぅっ…」



私は頷くので精一杯



「そっか、良かった」



「!!??」



優しく私を包みこんだ…



和沙が…抱き締めてる…??



驚きで涙はピッタリ止まる



「あっ!ぇっ?、か、和沙っ!!?」



「ん~?」



“ん~?”じゃないっ!



心臓がうるさい



和沙に伝わるかな…



………やっぱ駄目っ!



「かっ、和沙っ離して?!」



「なんで?」



「…は…恥ずかしいぃ…」



和沙はあっさり私を離した



「和沙さん、」



振り向くと、花奈絵さんが立っていた



「ぃゃっ…」



私はかすれるような声で、和沙のスーツの端を握った


< 59 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop