■年上彼氏様□


「チイバ公園にいろ」



私は体を引きずって家を出た



私の格好は、ブラウスにカーディガンを羽織った制服姿



靴なんて、靴下なし



口から漏れる息が白く染まる



モキュモキュと音をならす



「…ぁ…」



公園だ…



私は公園内に入り、しゃがみ込んだ



カサついた手で雪ダルマを作る



……空は灰色の雲が覆い尽くしている



赤くなる手



完全したミニ雪ダルマは、イビツな形



「……」



感情っていうのか…気持ちがぼーとする



何も考えられない



食事だって、体が痛くて食べてられない



頭に浮かぶ、あの人の名前



名前は考えない



だって、会いたくなるから



この状況を我慢してられなくなるから


< 71 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop