かさぶたと絆創膏
*prologue*
side雪
アナタに惹かれたのは、きっと必然だった。
「似てるんだ。……キミと彼女」
こう言って笑うバカっぽい笑顔が、年上の癖に子どもみたいで胸がキュンと締め付けられる。
コンビニのバックヤードで、過ごすたった数分は大切な大切な時間だった。
口にする彼女の名前に一喜一憂するアナタに、
「しっかりしてくださいよ。男でしょ」
ワザと呆れた顔を見せる、大人びた後輩がわたしの役目。
……でも、もう終わりにするよ。
月が変わり、新たな季節が巡るまで後三日。
自分の気持ちを綺麗サッパリ清算してしまうつもり……。
だから後三日だけ。
アナタを好きで居させてください。
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