かさぶたと絆創膏

わたしもすごく寂しいです……死にそうなくらい寂しい。




そう言えれば、わたしにだって振り向いて貰えるチャンスがあったのかもしれない。


でもね。


「うん。いつもありがとうね」


こう言ってふにゃって、子犬みたいに人懐っこく笑ってくれるのはきっと、


「キミと彼女には敵わないよ、俺」


こんな可愛げのない強気なわたしだからなんだと思う。


だから、後悔はしてないよ。


「そう思うならしっかりしてくださいよね。……彼女の為にも」


心はただれてやさぐれてる癖に、何でもない平気な顔してこんなセリフを吐く自分を……。
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