かさぶたと絆創膏
side秋
「わたしがお兄ちゃんの妹だから、秋さんは愛してくれるんですか?」
呟いた雪の言葉に、頭が真っ白になった。
……俺の気持ちは雪にちゃんと伝わってなかったんだ。
その事実を目の当たりにして、ショックが隠せなかった。
でもそれ以上に、言った後の雪の辛そうな顔が胸をどうしようもなく締め付ける。
ずっと言い出せなくて辛かったんだろ。
そしていざ口に出したらもっと辛くなった……。
そんな顔を雪にさせてる自分に腹が立った。
雪を大事にしたい、雪に必要とされたい一心で、自分の負の気持ちを隠してた俺は……あの頃から全然成長していない。
「……青を好きだった時間とか青の傍は、あの頃の俺の居場所だったんだよ」
ずっと居場所を求める俺には心地良く、でも脆い……居場所だった。
壊したくない気持ちが強かったせいか、俺は青に気持ちを伝えたいワケじゃなかった。
青と繋がり合いたいんじゃない
ずっと傍に居たかった。
でも、ずっと居られるワケじゃないってわかってた。
青には青の居場所があったから。