かさぶたと絆創膏
青の傍が俺の居場所じゃないって気付くのが怖かった。
せっかく見つけたのに……。
「でも、どんなに頭捻って考えても……青の傍に居る未来は見えなかったから」
そしてまた、居場所を無くして……ずっと怯えてる俺が居た。
愛してると女に言われればふらふらとついて行き、そのたびに虚無感が増していく。
「俺はね、身を焦がすような情熱的な恋が苦手だよ。俺は自分が思ってる以上に欲深くて、他人が思ってる以上に寂しがりだから。ただずっと続く愛が欲しい」
激しく狂おしく繋がり合ったところで、何も心が満たされない。
例え伝えられなくても、触れ合わなくても心地良い居場所が恋しかった。
そんな俺の気持ちを救ってくれた唯一の人。
それは、俺が抱いていた邪で醜い恋心を否定してくれた唯一の人。
雪だ。
雪ならわかってくれる気がした。
それ以来ずっと、自分勝手にも雪という居場所を求めてる。
……惹かれないワケがなかった。
再会して、恋に落ちて想いが通じ合って……。
空っぽだった心が満たされていく感触。
俺は雪のおかげで、雪無しじゃ生きていけない体になった。