そこにあるもの
窓の外には雲一つない空が広がっていて、一度開けたカーテンも思わず閉めてしまう。
めずらしく平日休みとなった俺は、のそのそとベッドから起きだし、リビングを覗いた。
昨晩あれだけ散らかした部屋が、見事に片付いている。
たぶんアイツが片付けてくれたのだろう。
だがお礼を言おうにも、その張本人は姿を見せない。
ふと、時計を見上げるとちょうど12時を指したばかり。
そういえば今日は朝から仕事があると言っていたような気もする。
出て行った音にも気付かないほど熟睡していたというわけか、と呆れつつも苦笑いをこぼした。
あまり目の覚めていない頭をそのままに、もう一度眠ってしまおうかと寝室へと足を運ぶ。
せっかくの休み。
やりたいことは沢山あるが、こうダラダラ過ごすのもいいかもしれない。
今夜もアイツを呼んでお手製料理でも振る舞ってやろうか。
そんなプランを考えつつ、ベッドへダイブした。