‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 ここに何者かが棲んでいるとしたら、その者が、人であるとは到底考えられないのだ。




 そして、そんな場所に、迷いもなくやって来る者がいたら、果たして、その者も人間であろうか?




 膩玖は平然と、魔界の如き境内を歩き、不穏な瘴気に煙る本堂へ進んで行った。




「玄讖坊(ゲンシンボウ)様!」




 膩玖が、何者かの名を呼ぶ。




 むろん、その名の者が、膩玖の真の主なのだ。




「膩玖めが参りました」




 そう言いつつ、本堂へ上がって行く。
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