‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 本堂は、戸に閉ざされていたが、不思議なことに、膩玖が手前まで進むと、勝手に開いていった。




 中の瘴気は、表よりも濃く凄まじい。




 開け放たれた途端、世界を浸蝕するかのように、瘴気が漏れ出してきた。




 本堂の中は、数本の蝋燭で照らされている。




 だが、その明かりは、あまりにもはかないものだった。




 中は薄暗く、闇が澱(オリ)のように滞(トドコオ)っていた。




 本堂の奥には、古ぼけた仏像が置かれている。




 この場の雰囲気にはそぐわない程、仏像は、柔和で慈愛に満ちた微笑みを浮かべていた。
< 192 / 445 >

この作品をシェア

pagetop