‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 膩玖は、ここに来るといつも、その仏像を見て、皮肉に思ってしまう。




 その顔に、嘲るような冷笑を浮かべた。




「膩玖よ・・・・・・。

何用じゃ?」




 闇が、言葉を発した。




 背筋が凍り付くような、冷ややかな声だった。




 膩玖がその声に促されて闇を見ると、闇が人の姿を象(カタド)って、ぼんやりと、そこに棲む者の姿を浮き彫りにした。




 坊主のように、頭には髪の毛が無い。




 そして、その服装も、坊主のものだった。




 寺に棲んでいるのだから、坊主であって構わないのだが、その男の雰囲気は、およそ坊主とは思えないものだった。
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