‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 少年は、そのため気付かなかった。




 不意に、一人の人物が、少年の向かいに座った。




 実は、これはかなり異様なことであった。




 と言うのも、少年の存在は、この店内において、どういうわけか、ほぼ誰からも認知されていなかったからである。




 まるで、この場に少年が居ないかのようであった。




 にもかかわらず、その人物は少年の向かいに座った。




 つまり、この空間の中で、例外的に少年を認知していたのである。




 その人物も、少年と同じくらいの年であるようだ。




 だが、身なりは遥かに良い。




 まるで、侍の子息のようだ。




 飯に夢中になっていた少年が、うろんげな視線を送る。




 向かいの少年を見た途端、鋭く邪悪な眼差しになった。
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