‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 凪は、その異能のため、これまで、人々から忌み嫌われてきたのだから。




 一方で、その異能に、絶対の自信があるから、あえてリスクを犯している、ということもあるに違いない。




 凪にとって自身の異能とは、生きるための手段であると同時に、自分を不幸にしてきた呪いのようなものであった。




 凪が、少女とは思えない冷めた目で、眠っている男女を見る。




 40過ぎの男女だ。




 どちらも、裕福であることを誇示するかのように、恰幅が良い。




 それも当然だ。




 凪が、今見下ろしているのは、花鵠城下でも指折りの豪商、葵屋の店主夫婦なのだから。




「凪が少しくらい貰ったって、バチは当たらないわよね〜!」




 どこか、冷え冷えとした口調で呟く。
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