‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 状況が飲み込めない中、凪の心臓も不安で鼓動が速くなる。




 しかし、その不安を、凪は懸命に抑え込んだ。




 こんな異常事態で、動揺し、軽率な行動に出れば、かえって身の破滅を招く。




 凪は注意深く、周囲の気配を探っていた。




 どこから、いきなり人がやって来るか分からない。




 恐らく、今混乱を撒き散らしているのは、強盗団だ。




 花鵠城下は、最近、その話で持ち切りなのを、凪も知っていた。




「なんてツイてないの!

よりによって、凪が居る所に強盗団が忍び込んで来るなんて!」




 強盗団に出くわすなんて真っ平だ!




 だが、葵屋の住人に出くわすのもまずい!




 凪も、侵入者には代わりないのだから。




 何とか、両者の隙を見て、逃げ出さなければならなかった。
< 224 / 445 >

この作品をシェア

pagetop