‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 凪は、これほど禍々しい笑いを、未だかつて見たことが無い、と思った。




 店主の妻が、後退りをする。




 そして、凪の居る部屋に逃げ込もうと襖に手をかけた瞬間。




 背後から、鬼の一人に斬り付けられた。




 その一瞬、僅かな隙間からその様子を見ていた凪と目が合った。




 凪にはまるで、妻が懇願しているように思われた。




 助けて!と・・・・・・。




 さらに、妻が斬られるところを見ていた店主が、声を上げようとした刹那。




 肩口から一気に袈裟斬りに、その体を斬り裂かれた。




 凪は、声も出せない。




 強盗団が、踏み込んでから、この時まで、ほとんど一瞬と思えるような、短い時間の出来事だった。




「正六。

ソノ女ハチャント生カシテアルカ?」




 毛むくじゃらが、鬼の一人に問い掛けた。
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