‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 そして、甚兵衛の後ろでは、鬼が二人、うずくまっていた。




「ああ。

ご心配なく。

後ろの二人は鬼ですから、あの程度なら、命に別状はないでしょう」




 毛むくじゃらの視線を読んだのか、甚兵衛が事もなげに言う。




「このまま、あの二人を連れて、立ち去ってもらえませんか?」




(この人・・・・・・、いったい何者なの!?)




 凪が、毛むくじゃらと同じような疑問を抱く。




 凪は、あまりにも平然とした甚兵衛の様子に、かえって、空恐ろしさを感じていた。




 甚兵衛の悠然とした態度が気に入らないのか、毛むくじゃらは歯ぎしりをし、牙を剥いた。




 そして、そのまま甚兵衛に襲い掛かる。




 素早い攻撃だったが、甚兵衛はそれをかわした。




(随分と素早い動きですね。

獣憑きなのか、それとも化物(ケモノ)かが問題ですね)




 甚兵衛は、内心で冷静に分析する。
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