‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 外のほうが、にわかに騒がしくなりつつあった。




「まずい!

役人が来る!」




 甚兵衛は、断十郎の依頼を受けてここに来ているが、そもそも断十郎の仕事自体が極秘のものだ。




 捕まれば、いろいろと面倒なことになる。




 強盗達も、当然それは同じだ。




 毛むくじゃらが、悔しげに甚兵衛を睨んだ。




 そして、仲間を引き連れ撤退していく。




「平治さん!」




 甚兵衛が、逃げようとしている男の背に声を掛けた。




 強盗達の中で唯一人間の姿をしている男が、その声に思わず振り返ってしまった。




 だが、慌てて素知らぬ風を装い、仲間のあとを追い掛けて行った。




 そうするうちにも、外のざわめきは近付いてくる。




 ザッと現場を見回す。




 強盗に斬られた女は、残念だが助けようがないことを悟った。
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