‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「そういえば、あの睡魔は、貴女の異能ですね?」




「異能?

ああ!そうね。

ちっちゃい頃から使えるの!

甚兵衛は、他に使える人とか知ってるの?」




 凪の声は、どこか固い。




 甚兵衛には、その意味が分かった。




 異能の持ち主は、大概、忌み嫌われる。




 凪は、まだ若いが、それなりの苦労をしてきただろうことは、想像に難くない。




 だからこそ、一人で盗みを働くといったまねをしているのだろう。




 そうしなければ、生きていけないのだ。




 甚兵衛には、そのことがよく分かった。




 甚兵衛も凪とたいして変わらない境遇を経験してきたのだから・・・・・・。




「ええ。

よく知ってますよ」




「えっ!?」




 甚兵衛の応えは、凪の意表をついたようだ。




「私も異能の持ち主なんです」




「えっ!?

甚兵衛も!?」




 凪の、ただでさえ大きな目が、真ん丸に見開かれる。
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