‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「そうか・・・・・・。

まあ、それは仕方ねえな・・・・・・。

甚兵衛、暫くあの娘を置いてやれ」




 甚兵衛が、断十郎の言葉に目を丸くする。




「ち、ちょっと待って下さい!?

何で、そんなこと!?」




 断十郎が、人の悪い笑みを浮かべながら、甚兵衛を見た。




「しょうがねえだろう。

あの娘、異能を制御出来ねえんだろ?

だったら、誰かがついていてやんねえと」




 甚兵衛が、うぅぅ、と呻いた。




「じゃあ、よろしく頼んだぜ。

それにしても、おめぇが娘を連れ込むとはねぇ。

もう行けよ。

あんまり、あの娘、待たせちゃあ悪いだろう!」




 断十郎が、意味ありげに笑う。




「違います!旦那!

何を勘違いしてるんですか!」




 甚兵衛が、真顔でまくし立てた。




「照れるな!照れるな!

おめぇの考えてることは、俺にゃあお見通しよ!

あんまりおめぇを付き合わせちゃあ悪いから、俺ぁもう行くぜ!」




 断十郎が、甚兵衛のその様子を愉快そうに見ながら、立ち去ろうとする。
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