‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「平治・・・・・・」




 しかし、すぐにその顔は不機嫌そうに歪んだ。




「平治!

てめぇ、何しに帰って来やがった!

勝手に家を出ておいて、今さらのこのこ帰って来れると思ってやがんのか!」




 その声は、病のせいでかすれていたが、口調は刺々しかった。




「そんな言い草はねえだろっ!

俺だって別に帰って来たくて帰って来たわけじゃねえよ!

ただ!断十郎さんが、あんたが病気だって言ってたから!」




 平吾の口調にカッとなって、平治も語尾を荒く言い返す。




「けっ!

今さら、孝行息子面か?

てめぇなんかに心配される覚えはねえ!」




「なんだとお!

このクソ親父っ!

誰も、心配なんかしてねえんだよ!」




 怒鳴り合う声を聞き、近所の住人達が何事かとやって来て、遠巻きに眺める。




 二人は、それに気付かずさらに言い合っている。




「俺は独り身だ!

息子なんか、もう居ねえよ!」




「なんだとお!

人が心配して来てやったら、いい気になりやがって!

もう、一人で勝手にくたばりやがれ!」




 平治は、激昂しすぎて、自分が何を言っているのかほとんど認識していない。
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