‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 だがそれより早く、遠巻きに見ている人の中から、男が一人、駆け寄った。




「平吾のとっつぁん!?」




 断十郎だ。




 断十郎は心配になり、様子を見に来たのだ。




 それが、来てみれば大喧嘩の真っ最中だったのだ。




 断十郎が、苦しそうにうずくまる平吾を支えてやる。




「おいっ!平治!

何ボケッと見てやがるんだ!

お前もさっさと手を貸せ!」




 断十郎は、呆然と突っ立ってる平治に怒鳴り付けた。




 平治が、慌てて手を貸そうとする。




 だが、その手を平吾が弱々しく跳ね退けた。




「おめぇの手なんか借りたくねえ!」




 苦しそうに脂汗を垂らしながらも、その目ははっきりと平治を拒絶していた。




「とっつぁん・・・・・・。

何もこんな時にまで・・・・・・」




 断十郎が、平吾の頑固さを困ったように見た。
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