‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「ええ、まあ・・・・・・」




 だが、今の平治には、その優しさが疎ましく思える。




 そして、人の優しさを疎ましく思う自分に嫌悪感を抱いてしまう。




 おせんが、娘にちょっとの間、遊んでくるように言った。




 平治は、その娘が、かよという名前だったのを思い出す。




 確かまだ6歳だったはずだ。




「平治さん・・・・・・。

今は、平吾さんも大変だから、たまには帰って来てあげてね」




 おせんのその言葉に、平治が苛立つ。




「僕が帰っても、どうにもなりませんよ!

喧嘩になるのがオチです!」




 少し刺々しい口調で言う。




 そんな平治に、おせんが首を横に振る。




「そんなことはないわ。

平吾さんだって、本当は、平治さんに帰って来て欲しいのよ。

平治さんのこと、凄く自慢してたもの」




「えっ!?

親父が、俺のことを!?」




 おせんが優しく微笑みながら頷く。




「子供を自慢に思わない親が居ますか!

厳しいことを言うのは、それだけ我が子のことを思っているからよ」




 おせんが、愛娘に慈愛の眼差しを向ける。
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