‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 だが、平治には、その顔が少し寂しげに見えた。




 その時、不意に、おせんが激しく咳込む。




 それを見て、平治の表情が強張った。




 嫌な予感が、胸の中で渦巻く。




 幸い、おせんの咳は、激しかったが、短いものだった。




「おせんさん・・・・・・。

あんた、まさか・・・・・・」




 心配そうな平治に対して、うっすらと脂汗を浮かべたおせんが頷く。




「ええ。

流行り病に罹ったみたいで・・・・・・」




 平治が、絶句した。




 そんな平治に、おせんは気丈に微笑んだ。




「でも大丈夫!

今、お薬をもらって来たから!」




「おせんさん。

医者にかかってるのか?」




 嫌な予感は、ますます膨れ上がるが、一縷の望みをかけながら、平治が確認する。




 しかし案の定、おせんは首を横に振った。




「いいえ。

とても、そんなお金は無いもの・・・・・・。

この先の村に、薬師さんが来てるの。

その薬師さんが、いいお薬を安く譲ってくれるっていうから、今もらって来たところなのよ」




「駄目だ!

それを飲んじゃあ!」




 突然、血相を変えて平治が叫ぶ。




 おせんが、思わずビクッとなって驚いた。
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