‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「この、“辰巳の御神刀”を、貴方に受け取っていただきたいんです!

えっとぉ・・・・・・。

そういえば、まだお名前を伺ってませんでしたね」




「当麻 甚兵衛と言います」




 甚兵衛は、“受け取ってもらいたい”、と、“名前を聞かれる”、というコロッと折れた話の腰に戸惑いながら、名乗った。




「甚兵衛さんですか。

では甚兵衛さん。

どうぞ」




 そう言って、靉苒は御神刀を差し出す。




 甚兵衛が、その御神刀を、困ったように見詰めた。




「申し訳ありませんが、受け取るわけにはまいりません」




「なんじゃとぉ!?」




「なんでぇ!?」




 受け取って当然と思っていた御神刀と靉苒は、まさか断られるとは思っていなかったようで、大声を上げた。




「見れば、その御神刀は、たいへん貴重な物であるようです。

そんなに貴重な物を、なんの謂(イワ)れも無くいただくわけにはまいりません。

それに、私も刀なら持っています。

もちろん、その御神刀ほど高価な物ではありませんが。

それでも私は、それを大切に使っていきたいのです」




 甚兵衛はそう言うと、すいません、と去って行った。
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