‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜



 屋敷内は、すぐに阿鼻叫喚の坩堝と化した。




 平治は耳を覆いたくなったが、その思いを押し殺して蔵の鍵を探す。




「くそっ!

どこだ!?

どこにある!?」




 血の匂いにむせ返りそうになる。




 その匂いのせいで、いつも吐き気を催してしまう。




 一刻も早く、外の空気を吸いたかった。




 そのためには、鍵を見つけ出さなければならない。




「くそっ!?

何で無い!?

どこに隠してんだ!?」




 箪笥の引き出しやら文箱やらをひっくり返して探すが、鍵が見付からない。




 鍵が無くても、平治なら何とか蔵を開けることが出来るかも知れない。




 だがそれにはやはり時間がかかるし、開けられないこともある。




 そんな時に平治を見る京允の目は、不気味で恐ろしかった。




 しかし、見付からないなら仕方ない。




 平治が、諦めようかと思案し始めた時だ。




 背後から、いきなり声が掛かった。
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