‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「お前さんが探しているのは、これかい?」




 平治が、ギクリとして、慌てて振り返る。




 痩せぎすの男が一人立っていた。




 どうやら、ここの店主のようだ。




 40前後だと思われる神経質そうな男が、鍵を持って立っていたのだ。




 平治が、息を飲む。




 自分の目の前で、何が起きているのか理解出来なかった。




 男は、左の肩口から腹までを‘一気に斬り裂かれていた’。




「あ・・・・・・あんた、大丈夫・・・・・・なのか!?」




 平治が、間抜けなことを口にする。




 普通、そんな状態で大丈夫な者など、人間にはいない。




 平治が、そのことに気が付いた時、他の三人も異常に気が付いたようだ。




「何だ!?

こいつら!?」




 屋敷のどこかで、驚愕を表す声がする。




 正六の声だ。




 向こうでも、何か異常が起きているらしい。




 平治が、恐怖でガタガタと震え始めた。




 店主が一歩、足を踏み出す。




 平治が、ひぃっと情けない声を漏らした。
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