‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 四人は一刻も早く、屋敷から逃げ出そうと、庭を駆けて行く。




 しかし。




 先頭を走る鉄燎が、足を止めた。




「オカシイ・・・・・・。

ナゼ、イツマデモ庭カラ出ラレナイ!?」




 平治達もハッとなった。




 いくら豪商の屋敷と言っても、庭の広さには限度がある。




 塀は遠くに見えている。




 だが、その塀がいっこうに近付くことはなかった。




 平治は、あの得体の知れない家人達が追って来てるのでは、と気が気ではなかった。




 それで、後ろを確認する。




「あっ!?」




 平治の上げた声に、皆が振り向く。




「な・・・・・・!?

何だぁ、こりゃぁ!?」




 正六が、素っ頓狂な声を上げた。




 四人の後ろには、深い森が広がっていた。




「どうなってやがる!?

何なんだ!?

これはいったい!?」




 京允が、甲高い声で喚き散らす。




「落チ着ケ!

ドウヤラ、何者カニ嵌メラレタヨウダ」




「何者かって、誰だよ!

誰が、俺達を嵌めたって言うんだ!?」




 京允が、鉄燎に噛み付く。




 その時、正六が声を上げた。
< 286 / 445 >

この作品をシェア

pagetop