‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「ああ。

これが幻じゃないんなら、何で俺達はあの塀に近付けなかったんだ?

って言うか、俺達は今どこに居るんだ!?」




 確かに、平治の言う通り、周囲の景色は藤内が出て来た時と変わらない。




「じきに幻も解けるだろ!

もう、藤内は死んじまったんだ!」




 正六が、気楽そうに言う。




「ホントにそうなのか?

俺もよく知らないけど、幻ってのは、術者が死ねばすぐに解けるもんなんじゃないのか?」




 平治には、どうも嫌な予感がしてならない。




 案の定、平治の問い掛けに応えたのは、強盗団ではなかった。




『それは、術者が生きているからじゃ!』




 皆が、その声にハッとする。




「なっ!?

どこから聞こえてきやがった!?」




 京允が、困惑をあらわにして、辺りを見回す。




「あの骨じゃないのか!?」




 正六が、鉄燎の足元にある骨を、恐る恐る指差す。




 確かに、あの骨のほうから聞こえたようにも思える。




 しかし、それとは全く別の、空の上から響いたようにも思えたのだ。
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