‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「うっ!?」




 藤内の骨を見ていた正六が、何かに驚き声を漏らした。




 皆の視線が、正六の見ている物に集中した。




 皆が見ている前で、藤内の骨がカタッと動いた。




 そして、カタカタと骨を鳴らしながら、ゆっくりと起き上がっていく。




「な・・・・・・!?

どうなってやがる!?」




 京允が、呆然と呟いた。




 今や、藤内の骨は、完全に立ち上がっていた。




 鉄燎が、忌ま忌ましそうに腕で払う。




 藤内の骨は、それで吹き飛ばされるはずであった。




 しかし、鉄燎の腕が触れた瞬間、藤内の骨は掻き消えてしまった。




 一同は、わけも分からず、無言で立ち尽くす。




 その時、平治は何かに違和感を覚えた。




 それで、恐る恐る周囲を、キョロキョロと見回す。




 やがて、違和感の正体に気付いた。




 平治は、唖然として、ゆっくり天を指差した。




「お・・・・・・おい・・・・・・!?

みんな・・・・・・、あれ・・・・・・・・・・・・」




 かろうじて声を搾り出す。




 その声に促され、皆が平治の指差しているほうを見上げた。




 そこには、黄金に輝く満月が出ていた。




 それも・・・・・・、二つも!?
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