‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜



 断十郎は、重元と別れ花鵠城下に戻るところだった。




 薄暗い林の細道を通っていると、何やら人の話し声が聞こえてきた。




 その声の調子がただならぬように聞こえ、断十郎は声のほうへ、そっと歩いて行った。




 まだ若い男が二人居た。




 一人は二十代前半といったところだろう。




 そしてもう一人は、それよりさらに若く見える、少年のような小柄な男だった。




 断十郎が気配を殺して様子を窺う。




「井戸に毒をばらまけば、確かに手っ取り早いな」




 小柄な男が冷笑を浮かべる。




(井戸に・・・・・・毒!?

何だ!?

何の話をしてやがる!?)




「そんなことを許せば、収拾がつかなくなります!

しかも、住人を皆殺しにするなど!」




(住人を皆殺し!?

こいつら、まさか!?)




「奴らのすることには意味がある。

それに一人殺されて、タガが外れている。

藤内め!

掻き回しおって」




「藤内か・・・・・・。

放っておいてよろしいんですか、師匠!」




 年長のほうが、小柄な男を師匠と呼ぶ。




 断十郎はそれに違和感を覚えた。
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