‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「あっ!?

甚兵衛ちょっと!」




 凪が慌てて声を掛けるが、もはや届かない。




「あぁあ、行っちゃった・・・・・・」




 甚兵衛の背中を見送った凪が、不意に振り向いた。




 うろんげな顔をして断十郎を見る。




「断十郎の旦那・・・・・・。

旦那は、二人組に会ったのに、何で何も確かめず、去ってきたんですか?」




 断十郎が、顎を撫でながら、遠くを見詰める。




「あのなぁ、凪。

俺に、妖とそれらしい奴、二人も相手に出来るわけねえだろ!」




 さも当然、と言わんばかりに開き直る。




「ちょ・・・・・・!?

それじゃあ、甚兵衛はどうなるの!?」




 甚兵衛を心配して食ってかかる凪に、断十郎がニヤリと笑う。




「心配いらねえ!

あいつなら大丈夫だ!」




「何で・・・・・・、そんなこと分かるのよ?」




「あいつぁ強ええ!

俺なんかじゃあ、足元にも及ばないくらいな!」




 そこには断十郎の、甚兵衛に対する揺るぎない信頼があった!
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