‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 少年はそれを、軽く受け流す。




「ああ!

なるほど!

万が一ってのは、そのことか!」




 芝居がかった口調で、からかうように言った。




 そして。




「断る」




 表情を一変させ、真顔になった。




 瞬間!




 少年は凄まじいスピードで甚兵衛に襲い掛かった!




 甚兵衛が咄嗟にかわす。




 だが!




 甚兵衛の着物の胸元が裂けた。




 その下の肌からも、うっすらと血が滲む。




 甚兵衛は、内心で、冷や汗をかいた。




(強い!

尋常な強さではない!)




 甚兵衛は、少年が、予想より遥かに強いことを悟った。




(少なくとも、私よりも実力は上ですね)




 甚兵衛は、それを確信した。




 それを確信すると、自らの死を覚悟した。




 甚兵衛にとって、死の恐怖は、遠の昔に克服していた。




 忍としての訓練を受けた幼少期に、必然的に克服しなければならなかったのだ。
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