‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 死を覚悟すると同時に、甚兵衛が戦闘モードに入る。




 人としての感情を凍り付かせ、全神経を戦いに集中させる。




 少年にも甚兵衛の気の質の変わったことが分かった。




「抜け」




 冷厳な口調だが、どこか師匠が弟子に稽古をつけてやる時のような趣があった。




 それで甚兵衛は、少年が本気ではないことを悟った。




 甚兵衛が持っていた忍者刀を抜く。




 手加減は出来ない。




 そのため、刀を抜くとすぐさま異能を発動させた。




 甚兵衛の異能は、物に宿った神(シン)を活性化させ、時に変化させる。




 甚兵衛の忍者刀から、炎が燃え上がった。




「ほう。

面白いな」




 少年はそれを見ても、まるで動じることはなかった。




「行きます!」




 甚兵衛はそう言った刹那、まさしく迅雷のように少年に斬り掛かった。




 だが、そのスピードも、少年には大したものではないらしく、余裕で身をかわす。
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