‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「甚兵衛・・・・・・、お前ぇ、よく無事だったな」




 どこかホッとしたように断十郎が言う。




「思いっきり、遊ばれてしまいましたが・・・・・・。

それより、彝経九郎が言ってたんです。

今夜、強盗達は《大木屋》を襲う、と」




 断十郎が怪訝そうな顔をする。




「彝経九郎が!?

なぜ、彝経九郎が?

信用出来るのか?」




「すいません。

それは分かりませんが、もし本当ならば、今夜は好機です。

なんでしたら、私だけでも行ってみましょうか?」




 断十郎が、しばし思案する。




「いや。

それなら俺も行ったほうがいいだろう。

もし本当だった時は、お前ぇだけじゃ、さすがに手に負えまい」




 そう言うと、断十郎は急ぎ《大木屋》に向かおうとした。




 甚兵衛もその後に続こうとする。




 しかし、不意に足を止めた。




「凪。

貴女は戻っていなさい」




「いやよ!

凪もついて行く!」




「凪!

これは遊びじゃありません!

駄々をこねないで下さい!」




 だが、凪は頑なだった。
< 347 / 445 >

この作品をシェア

pagetop