‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 断十郎と凪もその後ろを離れないように駆け出す。




 甚兵衛の動きは素早い。




 本来なら二人には、ついて行くことすら出来なかっただろう。




 しかし、今は妖達の相手をしながらなので、何とかついて行くことが出来た。




 甚兵衛の雷の刃は、妖達の動きを止めるのに最適だった。




 甚兵衛の一撃を受けると、妖達は、バチバチと全身をスパークさせながら、倒れ込んでいく。




 甚兵衛が雷の威力を抑えているので、妖になり、頑丈になっているおかげもあって、多少のダメージならじきに回復する。




 だが、妖達の数は多かった。




 花鵠城下の住民全てが妖になったのでは?、と思う程、次から次へと三人に襲い掛かる。




「くっ!

これは、キリがありませんねぇ・・・・・・」




 甚兵衛の足が、ついに止まった。




 三人を取り囲むように、妖達が輪になった。




 断十郎が唇を噛む。




 凪が怯えながら、甚兵衛の着物の裾をそっと掴んだ。




 三人とも、自分達が絶体絶命の状況に陥ったことを悟った。




 その時。
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