‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「貴方達はもう行ったほうがいい。

こんな所で時間を食ってる暇は無いはず。

ここは我々に任せてもらいたい」




 経輝の言う通りだった。




 だがそれでも断十郎達は躊躇った。




 経輝という青年は、ただの人間に思えた。




 断十郎が見たところ、御使いですらないだろう。




 ここに居ては、彝経九郎にとって足手まといになるのではないかと案じた。




 もっとも、彝経九郎程の腕があれば、経輝を守りながらでも、妖達を圧倒出来るのかも知れないが。




 断十郎の様子から内心を悟ったのか、彝経九郎が言う。




「経輝の言う通りだ。

経輝は、お前達が考えている程‘普通’じゃない!

ここは気にせず、さっさと行くがよい」




 断十郎がしばし思案する。




 もっとも、彝経九郎がそう言っている以上、自分達がここに残っても意味は無いだろう。




 断十郎は、甚兵衛と凪を目で促し、先に進もうとした。




 だが、彝経九郎に仲間を攻撃され、動揺から立ち直った妖達が迫り来る。




 甚兵衛が進み出て迎え撃とうとした。
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