‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「だがな、平治!

仲間じゃねえ奴ヤルのに、俺達ぁ躊躇はしねえぞ!」




 かよは涙を浮かべている。




 哀れなことに、恐怖のあまり、泣き声すら出せないようだ。




「ヤレよ!

平治!

このガキをヤッて、俺達の仲間だってことを証明してみせてくれ!」




 平治は、救いを求めて、視線をさ迷わせる。




 店の家人達は、主人の無残な死に様と鬼の出現に怯えきっており、完全に抵抗する気力を喪失していた。




 かよも、もちろん怯えきっていた。




 だが、かよの眼差しには、平治に縋り付くような色があった。




 さらに視線を移すと、正六に行き着いた。




 正六の目には、人間らしさがまるで無い。




 そこに見出だせるのは、ゾッとする狂気だけだった。




 平治は絶望した。




 この部屋のどこにも、平治を助けてくれる要素が無かった。




 平治は、もう一度、かよを見た。




 この少女を殺さなければ、正六は本当に平治を殺すだろう。




 平治が、手に持った刀を強く握りしめる。




 だが、なかなか決断出来ない。




「どうした、平治!?

ヤッちまえば、一瞬で終わる!

ヤレ!

ヤルんだ!

平治!」




 正六が、苛々したように言った。




 その時、さらに別のところから声が掛かった。
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