‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「ダメだ、正六!

その腰抜けじゃあ、いつまで待っても、ガキ一人、殺せやしねえだろうよ!」




 部屋の戸口に、もう一人の鬼が現れた。




「京允。

・・・・・・やっぱり、優しい平治くんじゃ、無理か」




 正六が、わざとらしくため息を吐いた。




「しょうがね〜な〜。

それじゃあ、奥の手を使うか・・・・・・」




 正六が、京允と目配せする。




 それを見て、平治の嫌な予感が益々強まっていく。




 京允が、べっとりと血に塗(マミ)れた刀を持って、怯えるかよの目の前まで、ずかずかとやって来た。




 冷ややかにかよを見下ろし、刀を振り上げた。




 かよが、ガタガタと震え出す。




 それを見ても全く心を揺るがせることもなく、京允が刀を一気に振り下ろした。




「やめろぉーーーっ!」




 平治が、絶叫した。




 平治が呆然と、その光景を見ていた。




「な・・・・・・・・・・・・何で?」




 目の前で起こったことが信じられなかった。




 かよもわけが分からず、呆然と“その人物”を見た。




 かよが殺されることはなかった。
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