‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜



 ううぅぅぅ・・・・・・。




 平治の心の奥底で、何かが唸り声を上げながらうごめいた。




 平治の目は、平吾を凝視している。




 いつも毅然としていた平吾の眼差しは、哀れな程、はかなく見えた。




 それは、平吾に残された時が、あと僅かしかないことを、平治に知らしめているかのようだった。




「う・・・ううぅぅぅ・・・・・・」




 平治が、唸るような声を漏らした。




 そして、やがてそれは、感情の奔流を爆発させた。




「うぅぅぉぉおおおおぉぉぉおおおぁぁあああ!」




 平治が、獣のように咆哮した。




 心臓が、ドクンと跳ねるように脈動する。




 血液が逆流しているかのような錯覚に捕われた。




 体の芯から、不気味な熱気が競り上がってきた。




 平治の目が、血走ったように赤く染まる。
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