‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「お・・・・・・親父・・・・・・・・・・・・」




 まるで、涙とともに暗い感情が流れ出ていっているようだった。




 少しずつ平治の姿が人間に戻っていく。




 人間に戻りつつある平治を、正六が信じられないといった風に見ていた。




「何だそりゃあ!?

そこまで変化しておいて、人間に戻るってありかよ!」




 正六が腹立たしげに叫んだ。




「チッ!

平治の野郎、妖にもなれねえ、正真正銘のクズかよ!」




 京允が吐き捨てるように言った。




 京允が、正六と目配せする。




「仕方ねえ。

こうなった以上は、ここに居る奴ら全員皆殺しだ!

まずは・・・・・・」




 京允が、うずくまっている平吾に向かって刀を振り上げた。




「せっかく招待してやったのに、何の役にもたたねえてめぇからだ!

クソジジイ!」




 平吾が力無く、振り下ろされる刃を見た。




 刃が平吾を捉えようとした刹那!




 大量の血が虚空に舞う。




「何のマネだ、こりゃあ?

ああっ!

平治ぃ!」




 平治がその身を投げ出して、平吾を守っていた。
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