‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 しかしそれでも、京允の攻撃を巧にしのいでいる。




 断十郎が、ちらっと平治達のほうを見た。




 平治は、断十郎が自分達のことを気にかけて、戦いに集中してないことを悟った。




(くっ!

このままじゃ、断十郎の旦那がやられる!)




 平治は、手元にあった刀を掴んだ。




「うおおおぉぉぉぉ!」




 平治が、自らを奮い立たせるように雄叫びを上げ、京允に斬り掛かっていった。




「やめろ!

平治!

手を出すな!」




 断十郎が叫ぶのと、京允が振り返るのが同時だった。




「どういうつもりだぁ?

ええ、平治ぃ?

俺に斬り掛かるたあ」




 分厚い筋肉でよろわれた京允には、へっぴり腰の平治ではたいしたダメージは与えられなかった。




 京允が、刀を振り上げる。




 しかし、その時。




「京允ぇ〜。

やべえよ・・・・・・。

こいつ、とんでもなく強えぇぇぇ!」




 京允がハッとして正六を見ると、正六は全身から血を流し、ひざまずいていた。




 そのすぐ傍には、冷ややかな眼差しでこちらを見る優男が居た。
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