‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「チッ!

ただ者じゃねえな・・・・・・」




 京允が、不愉快そうに呟いた。




「正六!

しょうがねえ!

ここじゃあ狭くて暴れられねえ!

いったん外に出るぞ!」




 京允はそう言うと、猛然と甚兵衛に襲い掛かった。




 甚兵衛は、軽やかにそれをかわす。




 京允の攻撃は、威嚇のようなものだったので、かわすのは造作もないことだった。




 京允は、そのまま部屋から出て行く。




 正六も、そのあとに続いて部屋を飛び出した。




 実は、甚兵衛にしても狭い空間では異能が発動させづらかった。




 京允達が移動したのは、むしろ好都合だった。




 断十郎に目配せし、甚兵衛もすぐにあとを追う。




 残った断十郎は、部屋の隅で一塊になり、事の成り行きを呆然と見ていた家人達に指示を出す。




「さあ、お前さん達は、今のうちにここから逃げ出すんだ!

だが、外に出るのはやべえ!

妖どもがうろついてやがる!

どっか、屋敷の中に鍵掛けられる場所はねえか?」




 すると、年配の女が進み出た。
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