‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 鼠だ。




 百葉の腕自体が、無数の鼠で作られていたのだ!




「その通りだ!

儂は数多の鼠が群れ集い、一つになって形作っておるのだ!

刀が触れる前にそれぞれの鼠が避ければ、刀は儂の体を擦り抜ける!

仮にもし、刀で一匹二匹斬ることが出来ても、儂にはたいして痛痒を感じぬ!

彝経九郎、数十、数百という数を一遍に斬ることは出来まい!」




 そう言いつつ、百葉が勝ち誇ったように笑った。




「そうでもない」




 しかし、彝経九郎は平然と応じる。




「何?」




 百葉が怪訝そうに彝経九郎を見た。




 彝経九郎の刀が輝きを増した。




 その刀を一振りする。




 すると、輝きが数十の光の刃となって、百葉を斬り刻んだ!




「ぐぎゃあぁぁぁぁ!」




 ゾッとする程けたたましい悲鳴が、夜の花鵠城下に響き渡った。




 彝経九郎の放った光の刃は、その一つ一つがそれぞれ、百葉を構成している鼠の一匹一匹に命中した。




「バ、バカな!?

そんなこと、出来る者などいるはずがない!」
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