‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜



 平治は、店の若い衆に手を借りながら平吾を蔵まで連れて行った。




 断十郎が蔵に逃げ込んだ家人達に言う。




「すまねえな。

暫くの辛抱だから、ここでちょっと我慢しててくれ」




 みんな、不安そうな顔で断十郎を見つつも、その言葉に頷いた。




 断十郎は、申し訳なく思いながら蔵の扉を閉め、鍵を掛けた。




 そして急いで甚兵衛の所へ向かう。




 甚兵衛は、二人を相手に巧みに戦っていた。




 甚兵衛の刀は雷になっていた。




 だが、完全には雷にしていないようだ。




 完全に雷になっていれば、相手の攻撃を刀で受けることは出来なくなる。




 そのため、甚兵衛がそこまですることは滅多にない。




 そこまでするのは、余程、相手が強く、攻撃力が欲しい時だけだ。




 甚兵衛にとって、目の前に居る鬼二人はさして脅威ではないのだ。




 実際、正六のほうはそれまでのダメージに加え、新たに雷のダメージまで受け、ほとんど戦意を喪失しかけていた。




「チッ!

しっかりしねえか!

正六ぅ!」




 京允が怒鳴り付ける。




「だ・・・・・・だってよぉ・・・・・・。

こいつ、半端ねえくらい強いじゃねえか!」




 チッともう一度、京允は舌打ちした。
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