‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 彝経九郎が軽やかに、塀に飛び乗った。




「ほう、なかなか壮観な眺めではないか」




 屋敷の周囲の道には、鬼や獣憑き達でひしめき合っていた。




 野獣のような唸り声を上げ、続々と集まってくる。




 その中に、凪や彝経九郎に気付く者が現れた。




 一人が獲物を見付けた獣のように咆哮した。




 それに呼応するかのように、周りの妖達も咆哮する。




「くっ!?

何だ、これは!?」




 まるで、空間そのものが、妖達に気圧されるように、ビリビリと空気が震えていた。




 しかし、彝経九郎が覇気で輝く刀を一閃する。




 すると、その刀から、無数の光が弾け散った。




 その一つ一つが、妖達に命中する。




 それを承けた妖達は、次々と昏倒していった。




 それで、先程までの轟音が嘘のように、一瞬で辺りが静まり返った。




 さらに、塀によじ登ってきた経輝が、ひしめき合う妖達に右手を向ける。




 そして、気合いの声を発した。




 すると、空間に波紋が走る。




 妖達は、見えない衝撃に打ちのめされて、バタバタと倒れていった。
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