‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「まずい!

そいつの体には、刀でさえ触れてはならない!

病毒に冒されてしまうぞ!」




「え!?」




 経輝の言葉に凪が恐怖したような表情を浮かべた。




「もう遅いわ!」




 百葉が甚兵衛に襲い掛かる。




 まさしく、瞬く間だった。




 他の者には、百葉が瞬間移動して甚兵衛に迫ったように見えた。




 その爪が剣のように長く鋭く伸びている。




「キシェェェーッ!

死ねぇ!」




「甚兵衛っ!?」




 凪が悲鳴を上げた。




 ガキィィィィィィン、と甲高い音が響き渡る。




「グォォォ」




 百葉が呻き声を漏らし、咄嗟に身を引いた。




 甚兵衛の雷の刃に触れて、痛烈なダメージを受けたのだ。




 しかし、それでもニヤリと笑う。




「刀でとはいえ儂に触れたな。

キシシ。

これで貴様は病毒に冒された!」




「甚兵衛!?」




 凪が甚兵衛の身を案じて、悲痛な表情になった。




 そんな凪を彝経九郎が見る。




「娘。

あいつらのことはほっといて、こちらに集中しろ」




 彝経九郎が、淡々とした調子で言う。
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