‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 彝経九郎が状況を分析しようと、冷静に妖達を見る。




「なるほど。

そうか。

あの鼠どもは、妖どもの気を喰らっているのだ。

妖どもにここを囲ませているのは、我々を襲うためだけではなく、妖気を餌にするためもあるらしい」




 妖気を喰らった無数の鼠達が、百葉の周りで折り重なり、次第に一つになっていく。




「おいおい・・・・・・。

こりゃあ、やべえんじゃねえか・・・・・・」




 断十郎が唖然として呟いた。




 断十郎と戦っていた京允も、百葉の変化に驚愕し、呆然と見入っている。




 百葉は、まるで生首だけが巨大に膨れ上がり、その頭に直接、腕が生えているというような奇怪な姿に変貌していた。




 頭の大きさだけで、人を2、3人丸呑み出来そうだ。




 しかも、まだまだ鼠は集まってくる。




 正六が興奮しながら、その光景を見ていた。




「ハ・・・ハハハ!

こいつは凄ぇ!

いいぞ!

やっちまえ!」




 そんな風に大笑いしている正六に、京允が血相を変えて叫ぶ。




「おい!

正六!

なんかヤバイ!

そこから、さっさと逃げろぉ!」




 京允の叫びは、鼠達が集まってくる津波のような音に掻き消されて、正六にはよく聞こえなかったようだった。




 正六は、興奮のあまり、刀をぶんぶんと振り回している。




 そんな正六の肩にポトリと何かが落ちてきた。
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